大会テーマ

「マラソンを科学する」

つくばマラソンは、「マラソンを科学する」という大会テーマのもと、マラソンを様々な角度から考え、「科学する」というフレームで毎年「進化してゆくマラソン大会」を目指しています。
現在、進行中の取り組みは次の通りです。

スタートを科学する

スタート時の混雑を緩和し、より安全なスタート環境を整えるための取り組みです。
詳しくはコチラ。

景観を科学する

コースやメイン会場を、来場者にとって走りやすく、わかりやすい環境にするための取り組みです。
詳しくはコチラ。

給水・給食を科学する

正しい給水方法、栄養に配慮した給食を提供し、健康的に走ってもらうための取り組みです。
詳しくはコチラ。

ランニングフォームを科学する

マラソンで効率的にペースを維持できるフォームを検討し、有益な情報を提供するための取り組みです。
詳しくはコチラ。

応援を科学する

ランナーの活力となる沿道応援を活性化するための取り組みです。
詳しくはコチラ。

スタートを科学する

スタート時の混雑を緩和するため、「ウェーブスタート」を実施。スタート時間をずらすことで混雑が緩和でき、グロスタイムとネットタイムの差が縮小して、参加ランナーから高い評価を得ています。
第37回大会では「ウェーブスタート」の特性を生かし、これまでAブロックに統一していた「陸連登録エリア」を2つに分け、第1と第2の各ウェーブの先頭に配置しました。これまでの「陸連登録エリア」は公認コースの大会で3時間30分までの記録を持つ陸連登録ランナーのスタートエリアとしていましたが、この場合、Bブロックの一般ランナーのタイムのほうが早い、という矛盾が生じていました。第1と第2の各ウェーブの先頭エリアに分けることによりタイムの矛盾を解消し、より安全性の高いスタートエリアを確保するようにしました。

<ウェーブスタートの実施内容>

ウェーブスタートの実施内容

<一斉スタートの34回大会と、
ウェーブスタートの35回(3ウェーブ)・37回(4ウェーブ)大会での比較>

一斉スタートの34回大会と、ウェーブスタートの35回(3ウェーブ)・37回(4ウェーブ)大会での比較

※縦軸:通過人数(人)/横軸スタート(第35・37回大会は第1ウェーブのスタート)からの経過時刻(h:mm:ss)

グロスタイムとネットタイムの差

※縦軸:グロスタイムとネットタイムの差(h:mm:ss)/横軸:ランナーの記録レベル

※協力: 筑波大学 体育系教授 鍋倉賢治

景観を科学する

距離表示や給水所看板など、コース上における表示物の色を色彩学の観点から考えて配色。距離表示は距離ごとのランナー心理を考えた配色、給水所の表示物は配布物から連想される配色などにより、視認性・識別性を高め、走りやすい景観を提供しています。
第37回大会では、メイン会場に設置している更衣室や手荷物預り所などの施設の場所が遠くからでもわかるよう、のぼり旗を設置。近年、増えてきている外国人ランナーもわかるよう、英語とピクトグラムも明記。半数以上のランナーがその効果を実感しました。

<実施概要と結果>

実施概要と結果 実施概要と結果 実施概要と結果

※協力: 筑波大学 芸術系准教授 山本早里

給水・給食を科学する

レース中に正しい「給水」が出来ているかどうかを、レース前後の体重変化により検証するため、メイン会場に体重計を置いた「給水量チェックコーナー」を設置。第37回大会では、体験者の約25%のランナーが、レース中の給水が過剰もしくは不足だったという結果になりました。

<実施概要と結果>
レース前後の体重の差から「脱水率」を割り出し、
その数値によって検証します。
走行前の体重-走行後の体重=体重減少量
体重減少量÷走行前の体重×100=脱水率
 ☞脱水率が2%程度 : 水分補給量が適量
 ☞脱水率が3%程度 : 水分補給量が不足
 ☞脱水率がマイナス : 水分補給量が過剰
レース中の給水について

給食は、血糖値を急激に下げない、疲労を防ぐ、効率、の3つをポイントとし、更に、第37回大会では、前回大会のランナーアンケートにあった意見も参考にして提供しました。その結果、「雑穀系パン」と「きゅうり」について多く見られた「食べづらい」という意見が大幅に減りました。

<実施概要と結果>
①血糖値を急激に下げない糖質の摂取
→果物(バナナ、みかん等)、雑穀系パン
雑穀系パンは「パサパサする」という意見が多かったため、フルーツが入って食べやすい種類のパンに統一しました。

②疲労を防ぐ抗酸化物質の摂取
→ブルーベリー、トマト、きゅうり
きゅうりは「大きすぎる」という意見が多かったため、前回大会よりも小さく切ったものを提供しました。

③効率を考えたエネルギー補給
→メープルシロップキャンディー
メープルシロップの糖は、ご飯やパンなどの固形物からとる糖よりも身体に素早く吸収され、また、糖質代謝に必要なビタミンB1、B2を他の食材で補わなくてもエネルギーに変換できます。更に、前述の抗酸化物質であるポリフェノールを多く含み、カリウム等のミネラルも含んでいる、ランニングに非常に適した食材です。
実施概要と結果 食べづらいと思った給食物

※協力: 筑波大学 体育系 運動栄養学 准教授・管理栄養士 麻見直美

ランニングフォームを科学する

マラソンにおける、効率的にペースを維持できるフォームを検討し、マラソンを楽しむランナーの方々へ有益な情報を提供するため、筑波大学とカシオ計算機の共同研究で開発された解析アルゴリズムを搭載した小型モーションセンサーを参加ランナー91名に装着してもらい、走っている間のセンサーデータを記録しました。

センサーで分析した人数は、3時間以内(sub3)が16人、以下4時間、5時間、6時間以内がそれぞれ28、34、13人でした。
以下、計測データを各グループの平均値で示しています。
1.スピード
ランニングスピードの変化を1kmごとにみると、Sub3群ではレース序盤のスピードが高いのですが、終盤においてもスピード低下が小さいことがわかりました。Sub4では30km以降、Sub5と6では20km以降でスピードが大きく低下していました。
スピード
実施概要と結果
2.ストライド
ランニングスピードはストライドとピッチの積で決まります。Sub3群ではストライドの低下が小さく、その他の群ではスピードの低下と同様に中盤以降で大きく低下していました。
42.195kmをこのストライドの大きさで割ることで、平均的にマラソンを何歩で走ったかを推定できます。Sub3は30,244歩、Sub4から6では、それぞれ38,128、45,568、52,331歩でした。ストライドが小さいとマラソンの歩数が多くなることがわかります。
ストライド
実施概要と結果
3.ピッチ
Sub3のピッチは、レース序盤に非常に大きかったのですが、徐々に低下していました。ラストで急に大きくなっているのはスパートの影響だと思われます。Sub4では後半にかけて大きくなる傾向が、Sub5と6では小さいままでした。
ピッチ
実施概要と結果
4.上下動
Sub3の上下動は、レース序盤から小さく、終盤にかけて変化していませんでした。Sub4と5は序盤で大きく、徐々に低下していました。Sub6では中盤以降で大きく低下していました。上下動はエネルギーロスにつながりますが、一方でストライドを大きくするためには大きくなります。また、上下動が大きいとピッチは小さくなります。
上下動
実施概要と結果
5.まとめ
平均的にみると、3時間を切るためには、ストライドを1m40、ピッチを180歩/分4時間を切るためには、ストライドを1m10、ピッチを175歩/分あたりをできる限り維持することが目安になるでしょう。

※協力: 筑波大学 体育系准教授 榎本靖士
     カシオ計算機株式会社

応援を科学する

ランナーの活力となる「沿道応援」を活性化するため、つくばマラソンでは、今ではおなじみとなった距離表示の下の応援コメントを第30回大会から始めました。
また、地元の小学校・中学校の協力で、応援演奏を数ヵ所で行っています。
第37回大会のランナーアンケートでは、ランナーの皆さんが希望する応援の内容は応援してもらう場所について聞きました。今後、この結果を参考に、沿道応援の活性化に取り組んでいきます。
応援
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